2015/05/17 23:59

とうとう無くなってしまいました。。。
今年、選びに選んだチョコレート達が。。。

2年振りに訪れた『Salon Du Chocolat/サロン・デュ・ショコラ』

これまで、どのくらいの種類の塩を使ってきたでしょう。と語れる程の塩を使っている訳でもありませんが、この『塩』という素材の原産地は、他のどの食材よりも多いのでは?と、塩コーナーへ行くと驚かされますよね。

この世で一番、美味なるものは? との問いに、『塩』と答えた女性がおりました。歴史漫画の1ページで、真がどうなのかはわかりませんが、「言えてる。」そう感じたものでした。

お菓子を作るにあたり、当たり前のように使ってきたゲランドの塩。漬け物や焼き魚等には、伯方の塩。パスタには岩塩。みたいなイメージ感で使っていた塩。どうせなら、地元の越前の塩や奥能登の塩等をお菓子に使う方がいいんじゃない?と使う時期もありましたが、何かのきっかけで再びゲランドの塩を使ってみたら、何となく、お菓子の口当たりが優しく感じたのでした。

「あれっ?あれれ???」

と、不思議な感覚。でも、これは、微妙な感覚かもしれませんが、やはり自分が美味しいと感じた方を使うしかありません。

言わずと知れた、加塩バターを使ったキャラメルで有名なアンリ・ルルー氏は、ゲランド塩田のあるブルターニュ出身の方。ゲランドの塩を再び使い始めた私は、どうしても、ルルー氏にお逢いしたくなり、今回のセミナー受講の流れとなりました。

SALON DU CHOCOLAT 2009@KyotoSALON DU CHOCOLAT 2009@Kyoto

ルルー氏が、加塩バターのキャラメルを創り出す前は、塩で有名なブルターニュでさえ塩入りキャラメルは無かったそうです。それが塩を入れたら、もっと美味しくなったという訳。

日本でも、餡子に塩は当たり前。でも、当たり前になる前は、やっぱり疑心暗鬼なものだったと思います。福井では、夏に限らず、冬でも、水ようかんを食べます。丁稚(でっち)ようかんとも呼ばれ、白砂糖では無く、黒砂糖入りの水ようかんです。
これは、出稼ぎに出掛けた丁稚奉公が、本来、白砂糖を使うところを誤って黒砂糖を入れてしまった。しかし、それが思いの他、美味しかったから。という所以があります。

次いで、アルノー・ラエール氏のセミナーを受けました。驚いた事に、ラエール氏もブルターニュ出身。この新作、ドーム・アートの中のキャラメル・ガナッシュには、もちろんゲランドの塩入り。

SALON DU CHOCOLAT 2009@KyotoSALON DU CHOCOLAT 2009@Kyoto

ラエール氏は、ゲランドの塩以外は使わないのだそうです。今の所は。そうゲランドの塩を昔から使っていて、そのお菓子が美味しいから。

セミナーを受ける為に朝早くに並んだ列が先着順なので、1回受講出来ればそれで満足。そう思っていたのが、運良く2回受講でき、また偶然にも今回の課題のゲランドの塩について話が聴けた事は何よりの収穫でした。

かなりの数のチョコレートが並ぶ中、どれを購入するかをかなり迷っていましたが、セミナーを受けた後は即決でした。

あと最後に立ち見で受けたセミナーが、デカダンス・ドゥ・ショコラのステファン・ヴュー氏。
デモンストレーションで、本来なら3日間かけて作るショコラを1時間で作り上げてくれました。『私の心の鍵』というハート型のビターチョコレートの中に、パッションフルーツのガナッシュが閉じ込められたもの。ビターチョコレートの表面は艶やかに輝くルビー色。
やはり美味しいものを創り出す人は仕事もきれいです。途中、面白い話も交えながらも手は、テキパキと動き、マーブル(大理石)の上は常にピカピカ。あっという間に時間は流れ、美味なる一品が仕上がっていったのでした。ヴュー氏のご厚意により、立ち見の何人かは、その出来立てを頂く事に! それは、もう、かなりの美味しさでしたよ。

ラエール氏のショコラもそうですが、やはり温度というものは大切だなと改めて感じました。
一般的に、チョコレートの美味しい温度は、21℃とされています。その状態を口に含んだ時に、また温度が加わって、なめらかな食感が生まれる。
会場は少し、暖かかった為、試食で出されたチョコレートをそのままにしておいて手にすると、少し手に付いてしまうものもありました。しかしながら、その温度こそが、キャラメルを美味しく感じる温度だとも、ルルー氏は仰られていました。

キャラメルを購入した際に頂いたこのカード、ルルーさんがサインペンで描いた後に、マダムがチョコレート色のペンで仕上げたもの。とても温かい印象を受けました。

SALON DU CHOCOLAT 2009@Kyoto

今回のこの教えをアメリのお菓子にも練り込みつつ、新しいお菓子の誕生に勤しまねばとの想いを込めながら、2009年のバレンタインのチョコレートが仕上がっていったのでした。

そう、ラエール氏は、こんな事も仰られていました。

このお菓子の世界は、とても愉しい。何かしら、発見があり、そして必ず前に進んでいける。と。

その愉しい時間を過ごせるのは、食べてくれる誰かがいるから。なんですよね。本当に有り難い事です。

今回のフォンダン・ショコラの感想を何人かのお客様から頂いています。

「blogにあった通り、少し温めてバニラアイスと供に食べました。中から出て来たサクランボが春を感じました!」

「フォンダンショコラ。なかなか出会えないお菓子に巡り合えた感じです。」

「お菓子展の時とはまた違って、時間が経った事で味に深みを感じました。」/お菓子展のワークショップ参加の方より。

Merci beaucoup!!!

『SALON DU CHOCOLAT 2009@Kyoto』アルバム


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最後に、ひとつ、缶フェチの心を大きく揺さぶったこのスカイ・ブルーの缶。今回、日本初上陸の『VESTRI』。これを手に入れなかったのが少し後悔です。。。あのイタリアが舞台の映画『冷静と情熱のあいだ』で順正と葵、二人が待ち合わせた場所ドゥオモに程近く佇むチョコレート&ジェラート屋さん。以前、ハネムーンでドゥオモに登った友人達もコチラのお店に行ったのかしら。なんて思ったり。

SALON DU CHOCOLAT 2009@Kyoto

こちらの缶は、お菓子を食べた後にも小物入れ等に使ってほしいとの想いがあるそうです。

アメリの赤い箱も同じ。何か小さなものを保管する小物入れに使って頂けたらと同じ想いが込められています。